山奥に住んでいる赤鬼は、遊んだり、お菓子を食べたり、お茶を飲んだりして人間たちと仲良くなりたいと思っていました。しかし、人間たちにしてみれば鬼は山奥に住むそれはそれは恐ろしい存在です。赤鬼はどうすれば人間たちと仲良くなれるものかと、大親友の青鬼に相談をしました。青鬼は「僕が麓の木こりの家に乗り込んで、ちょいと大暴れしよう。僕が村で暴れている最中に君が駆けつける。僕をしかりつけて、君は僕の頭をポカポカ殴る。そして僕は君にやっつけられて逃げて行ってしまう。そうすれば人間たちは、君の事を良い鬼だとわかるよ!」と提案をします。
おかげで赤鬼は人間たちと仲良くなり、村人たちは毎日毎日赤鬼のお家に出かけていきました。もう赤鬼はちっとも寂しくありませんでした。けれども日数が経つうちに、心掛かりになるものがひとつ、ぽつんと取り残されている事に気がつきました。そう、青鬼くんです。。。赤鬼が久しぶりに山奥の青鬼のお家を訪ねると、青鬼は留守でした。その代わりに赤鬼宛の置き手紙がしてありました。。。
「赤鬼くん、人間たちとはいつまでも仲良くまじめに付き合って、楽しく暮らしていってください。僕はしばらく君にはお目にかかりません。このまま君と付き合いを続ければ人間は君を疑うかもしれません。薄気味悪く思うかもしれません。それでは誠につまらない。そう考えて僕はこれから、旅に出る事にしました。永い永い旅になるかもしれません。でも僕はいつまでも君を、いつまでも、いつまでも忘れはしません。どこかでまた逢えるかもしれません。さようなら、きみ。身体を大事にしてください。どこまでも君の友だち。 青鬼」
赤鬼はどこかに行ってしまった青鬼に、心から泣いて謝りました。。。