岡本知高。1976年生まれ。高知県宿毛市出身。男性でありながら女性ソプラノの音域を持つ男性ソプラノ歌手【ソプラニスタ】。
多くのソプラニスタやカウンターテノールがファルセット(男性裏声)を用いて技巧的に発声するのに対し、岡本の場合は、男性としての強い筋力と豊かな肺活量を、生まれながらのソプラノヴォイスを通して発揮できるという、世界的にも大変希有な「天性の男性ソプラノ歌手」。
テノールやバリトンといった一般男性の声は合わせ持っておらず、発声のメカニズムとしては完全に女性ソプラノと同様と考えて良いため、“コントラバスにヴァイオリンの弦が張られている”などと本人は愉快な表現で説明している。
そのレパートリーは、バロック時代のカストラート作品から宗教曲、オペラ、日本歌曲、クラシカル・クロスオーバー、ミュージカル、ポップスと多岐にわたり、国内主要オーケストラや様々なアーティストとの共演の他、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団、イギリス室内管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ室内管弦楽団といった海外オーケストラからの呼び声も高く、国内各地でのピアノ伴奏によるソロコンサートとあわせて、唯一無二の奇跡の歌声を轟かせている。
またその一方で、ライフワークとして取り組んでいる学校訪問コンサートや、各地の学生らとのステージ共演に力を注ぐなど、音楽教師を目指していたという岡本らしい子供達とのふれあい活動も全国展開している。
その背景にあるのは、“地元宿毛市の豊かな自然の中で天真爛漫に育った幼少時代と、6歳のときに足の病気を患い、親元を離れ養護施設で過ごした4年間の貴重な経験が、現在の岡本知高の礎である”と本人も語っている。
1998年ベートーヴェン作曲「第九」日本初演80周年記念再現リサイタルにソプラノソリストとして抜擢を受けてデビューし、1999年国立音楽大学声楽科を卒業。
この頃には既に独特のコスチューム(衣装デザイナー有松陽子氏による作品)をまとっていた。数々のコンクールで優勝・入賞を果たし、パリ・プーランク音楽院に留学。審査員満場一致の一位を獲得、首席で修了。2002年帰国直後、NHK『スタジオパークからこんにちは』『ラジオ深夜便』、TX系『たけしの誰でもピカソ』などへの出演を機に、EX系『題名のない音楽会21』『徹子の部屋』、TBS系『うたばん』『学校へ行こう!MAX』、CX系『めざましテレビ』『新堂本兄弟』『MUSIC FAIR21』などに出演。その歌声はもちろん、独特のコスチュームと楽しいキャラクターで、一躍その名は全国的に知られることとなった。
2003年ユニバーサルミュージックより初アルバム『ソプラニスタ』でCDデビューを果たし、これまでにカネボウ、グリコ、東レなどのテレビコマーシャルでも印象的な歌声を聴かせている。
2004年には人気を集めた昼ドラマ『牡丹と薔薇』(THK・CX系)で主題歌「涙のアリア」を担当。『第71回日本ダービー』にて「君が代」独唱。
2005年NHK『みんなのうた』でホッチカズヒロ氏のアニメーションと共に「空へ」が放送。
『愛・地球博(愛知万博)』ではフレンドシップソング「この星の安らぎを」を担当。2006年よりCX系フィギュアスケート番組のオープニングソング『ボレロ』を担当。
『メダリスト・オン・アイス』では生オーケストラの演奏と共に、荒川静香氏をはじめとするトップスケーター達と共演。
『世界フィギュアスケート選手権大会2007東京』では開会式において「君が代」独唱も務めた。