「V.A.Freedom」はメンバー全員、国立音楽大学声楽科出身。卒業と同時にグループを結成(当時はまだア・カペラと言う言葉が日本に浸透していなかった)。それぞれがソリストとして総合芸術であるオペラ・オペレッタの舞台に立つことで、<声>への果てしない追求・探求を続けながら、常に<声>のパワーで音楽の楽しさ、素晴らしさを観客と分かち合うために、ライブにこだわり続けてきました。
マイクを一切使わないオペラ歌手の圧倒的な<声>のパワーは、直接ホールで聴き、体感した者しか解りません。CDやDVD等で聴いただけでも、その迫力は微塵も伝わらないのです。そんな圧倒的な<声>のパワーを兼ね揃えた4人が集結したことで、他には無い分厚いコーラスサウンドを実現。DJ赤坂泰彦氏が「こんな分厚いコーラスができるグループが日本にいたのか!」と絶賛していただきました。
ア・カペラって? 簡単に言えば<声>だけで歌うこと。楽器等は一切使いません。もともと「a cappella」はイタリア語。cappellaは「教会」、aは「〜風に」と言う意味で「教会風に」と言うこと。賛美歌など、教会で歌われてきたものが無伴奏だったために「ア・カペラ」=「無伴奏」という意味に使われるようになりました。
14KARAT SOULやBoyz II Menなど、黒人系の方が多いので、その昔奴隷として働かされていたアフリカ系アメリカ人が楽器を買うお金が無くて始めたもの・・・な〜んて思いがちですが、それは全くのウソ!? 実は教会音楽の発達したイタリアと同じくここでもイタリア系移民が一枚噛んでいたようです。当時移民してきたイタリア人の多くは床屋を営む人が多かった(なるほど!!セヴィリアの理髪師)ようで、その中に兄弟で床屋をやっている人が、散髪中にお客を楽しませようと4人でハモったそうです。さすが陽気なラテン、イタリア人。そのころはとくに娯楽もなく、これが大ウケで「バーバーショップカルテット」として一気に広まったそうです。
この様にア・カペラは、時が経つうちにクラシックのルーツから、徐々にジャンルの幅が広がってきました。曲想としてはいまいちメリハリが少なく、少々取っつきにくいものと言う印象があるようですが、近年はヴォイスパーカッションなるものの登場により驚くほどノリノリな世界をも網羅できるようになりました。つまりパーカッション(打楽器)を手に入れて、ア・カペラのジャンルは、ムーディーなバラードからロックまでもレパートリーに入れられるようになったのです!!
<では、黒人霊歌って?>
重複しますが、厳密に言うとゴスペル・ミュージックは音楽のジャンルの呼び名ではありません。神様の「良い知らせ」を歌ったものがゴスペルなのです。逆に黒人霊歌はアフリカンアメリカン達が「奴隷制や差別に苦しんだ内容」を歌ったもの。根本的にスピリッツの違いがありますね。しかしどちらもキリストに訴えた内容には違いありません。
<V.A.Freedomはどんな形態なの?>
ようやく彼らのお話になりましたが、彼らは国立音楽大学の声楽科を卒業した男性4人からなるヴォーカルグループ。ア・カペラを中心に、ピアニストまたはバンドを招いてのセッションもやります。歌うジャンルは専門のクラシックから、ゴスペル、ジャズ、ポップス、黒人霊歌、童謡などなど、良い歌ならなんでも歌おう!と言うスピリットを持ち合わせた、おしゃべり好きなメンバー。舞台上でも笑いが絶えません! 基礎がキッチリしているのでその圧倒的な声量で、活動の場を広げています。4人と言う人数は、ア・カペラをやるには最低限の人数。もちろん1人で歌ってもア・カペラ。でもそこにコード(和音)を入れるとなると、あと3人は必要になるのです。ヴォイスパーカッション担当の人間はおりませんが、我々のモットーはシンプルイズベスト! 良い歌をお送りするには、この編成で充分なのです。